親指シフトでの同時打鍵の方法は一見みなれない、不自然な形態に思えるかも知れません。しかし、私達人間の指というのは、親指と他の四本の指を同時に動かし、物を掴むことができるようになっています。それは人類が猿であった時からの歴史で、手を動かすための脳の構造がそのようになっていると考えられており、このことからも親指シフトにおける親指と他の指との同時打鍵という方法は、私達にとってむしろ自然で、最も無理のない方法であるといえるでしょう。
キーボードによる文字の入力では、ユーザーの思考をできるだけ妨げないようにしなければなりません。指の運動をスムーズにするためには、各指にバランスよく文字が配列されているかどうかなど、キー配列への配慮が重要です。親指シフトキーボードのキー配列は、日本語におけるかなの出現頻度を考慮して配置されています。また、人差指が一番使いやすいため使用頻度を多く、小指に向かう順に負担を軽くするようにも配慮されています。そのキーボード上に親指以外の8本の指を置くことによって、それぞれの指で打つ文字を決め、ホームポジションにつねに指が置かれる方法で、日本語を効率よく打つことができます。
濁音・半濁音を含めて1打鍵ですみ、音をそのまま打鍵することができるので思考を妨げず、指でしゃべるように入力できます。