最新更新日: 2000/08/19

NICOLA派宣言

日本人の高度知的生産のパートナー
NICOLA配列の入門テキスト

古瀬幸広
Yukihiro Furuse

著者略歴

古瀬幸広
1960年奈良県生まれ。東京大学文学部卒業。在学中より評論活動を始め、 卒業後フリー。文系理系の枠組を超えた学超的な批判に特色。 1986年『最新ワープロ大百科』を創刊(責任編集)するなど、 ワープロ/パソコン関係の著作多数。 現在は科学技術の社会的な評価を活動の中心におきながら幅広い著述活動を行っている。 主な著書に『ネットワーカーズハンドブック』(翔泳社) 『最新ワープロ用語辞典』(実業之日本社)など。
 

《《《NICOLA派宣言》》》

 1973年 1月 4日、「奇人、変人、そして天才」 といわれた栗原俊彦・九州大学教授は研究室に斃れた。 しかし彼が1960年代に手をつけた仮名漢字変換の研究は、 数年後にワープロという新しい生命を与えられ、 10年後の世界を変えたのである。
 その貴重な遺産を、食いつぶしてはならない。
 私は迷うことなく、 コンピュータを使った日本語による知的生産のためのキーボードとして “NICOLA配列”を支持する。英文タイプライタとの互換性を維持しつつ、 ひらがなをうちやすくした同時打鍵は、電子化時代の奇跡なのだ。 そこにはカナモジタイプライタ時代の発想を超えた美しさがある。
 私は疑うことなく、 キーボード配列の選択は国家百年の計であると考える。 1970年台後半の仮名漢字変換の実用化により、 日本語の情報化は急速に進んだが、 肝腎のキーボードは大正時代の呪縛を依然として背負っている。 このままでは早晩、渋滞する高速道路と同じ運命をたどることは明白だ。
 そして私は躊躇なく、キーボード選択の自由を主張する。 身体障碍者への配慮もなられなくてはならない。 キーボードは知的生産の基本的なパートナーである。 大事な相棒を企業論理の枷から解き放ってこそ、 コンピュータは私たちにやさしい道具たり得る資格を持つだろう。
 キーボードを選ぶのは、企業でも国家権力でもなく、 私たちユーザー自身である。 使いやすいキーボードを、私たち自身が選択すること −−その積み重ねが世界を変えるのだ。

1992年 8月 3日
東京・品川の寓居にて   古瀬 幸広

Section 1. NICOLA配列を支持する理由

 大正時代の実業家・山下芳太郎しが私費を投じて、 アメリカのタイプライタメーカー・アンダーウッドに注文したカナモジタイプライタ。 この配列をもとに、 1972年に制定された配列が現在のJIS配列(JIS X 6002)である。
 JIS配列が誕生した当初は、コンピュータはまだ日本語化されておらず、 英数字もしくはカタカナで用いるのが当然であった。 したがって、仮名が4段にわたって配列されたJIS配列の 「打ちにくさ」が表面化することもなかったのである。
 1970年代末にワープロが誕生し、 私たち日本人が日本語をキーボードを使って「書く」ようになると、 JIS配列の限界が実感されるようになった。 そしてその解決策として、 1980年代にはいくつもの入力方法・配列が考案されたのであった。

《生き残った唯一のキーボード》

 これら新方式のなかで、 いまなお多くのユーザーを獲得しているものは一つしかない。 1980年に富士通が発表した親指シフト配列をもとにしたNICOLA配列こそ、 1990年代まで生き残った唯一のキーボードである。 それだけでなく、 NICOLA配列は現代の知的生産に最も向いたものであると評価できるものだ。
 第一に、ひらがなのタッチタイピングが容易である。 これがNICOLA配列の最大の長所だ。 とくに同時打鍵が素晴らしい。
 思考の段階の言葉と打鍵とが、 美しく1対1で対応していることが大切なのである。 だから使いこむと、「指がしゃべる」快感を味わうことができるのだ。 言葉を思いついたとたんに、指が自然と動いて、それを書きとめることができる。 「考えながら打つんだから、早く打てる必要はない。 ローマ字入力で十分だ」−−こう主張する人も多い。 しかし、これは幻想である。 問題は速度ではなくうちやすさなのだ。 「ことば」という3音の字句を、 3タッチでスムーズに打てるのがNICOLA配列である。 JIS配列では4タッチ、ローマ字入力では6タッチと、 思考と打鍵のリズムがあわない。 NICOLA配列は脳にかかる負担が軽いのだ。これが最大の良さである。
 現代の日本語は、漢字が減り、 ひらがなが増える傾向にあるさとも見逃せない。 仮名漢字変換を用いず、 漢字を直接入力することで入力速度を向上させる方式もあったが、 ひらがなが増えたいまではその存在意義は薄れてしまった。 この方式がNICOLA配列に勝るのは、 漢文を入力するときくらいのものである。
 第二に、英文タイプライタと互換性がある。 したがって、ローマ字入力も可能だ。 この点も、NICOLA配列を支持する大きな理由である。
 数多く生まれた新配列の中には、 英文タイプライタと物理的な形状が大きく異なるものもあった。 このタイプの配列を国家的な標準とすることに、 私は反対である。日本人が海外に出たとき、 あるいは逆に外国人が来日したとき、 形状の異なるキーボードに戸惑うようでは、失うものが大きすぎる。

 一方、「NICOLA配列は習得するのが難しい」という批判もある。 「ローマ字入力なら、覚えるキーの数が少なくて済む」というのだ。 この批判は事実ではあるが、的を射たものではない。 「難しい」といっても、その差はせいぜい最初の数週間に過ぎないのだ。 木を見て森を見ない議論とはこのことではないか。
 また、「なかなかマスターできない」のは、 練習方法に問題があるからだ。 これらのマスターのコツを披瀝しよう。 私は次に述べるやり方で、 英文タイプライタもJISかなもNICOLA配列も、 それぞれ約1週間で覚えることができたのである。


Section 2. タイピングマスターの秘訣

 タイピングのマスターは一に練習、二に練習 −−これは悪しき日本の精神主義である。 特訓さえすればうまくなるというのは勝手な思い込みに過ぎない。

《まず観察から始めよ》

 指を動かす前に、じっくりとキーボードを観察しよう。 どのような仕組みになっているのかを理解することが、 非常に大切なのである。 練習の前に、配列図を縮小コピーして持ち歩き、 頭で配列を覚えてしまうくらいでちょうどいい。
 観察すると、次の特徴がわかるはずた。

[NICOLA配列の構造]
  • 仮名文字が下3段にすべておさめられている。
  • 左手の守備範囲、右手の守備範囲が色分けされている。
  • 1つのキーに2つの仮名文字がセットされている。
  • 濁音となる可能性のある文字はすべて下段にある。
  • 半濁音は右側に固められている。
  • 句読点(,、。)と・(・)も下段にある。

 そしてもう一つ、 ひらがなが一見して無秩序に並んでいることもわかるだろう。 「なぜ、50音順に並べないのか。そのほうが探しやすいのに」 という疑問を持つ人もいるが、 これは頻度と打ちやすさを考案した結果である。
 NICOLA配列では音声言語の統計データをもとに、 頻度の高い文字がホームポジションに配列されている。 たとえば「今日は弟の運転なのでとっても安心なの」という一文も、 すべてホームポジションだけで打てるのだ。

《「同時」にごだわり過ぎないこと》

 次に大切なのは、文字入力の仕組みを理解することである。 順番に解説していこう。できればキーボードを実際に操作して、 一つ一つの動作を確かめながら読んでいただきたい。

[NICOLA配列の文字入力の仕組み]
  1. 下段の文字は、そのまま打つ(単色打鍵)。
    キーをそのまま打てば、下段に刻印された文字が入る。
  2. 上段の文字は、片手を使った同時打鍵(単色同時打鍵)。
    右半分の文字キーと親指右キーの両方を、右手で同時に叩いてやれば、 上段(シフト側)の文字が入力できる。 左半分も同様だ。これを“単色同時打鍵”と呼ぶことにしよう。
  3. 濁音は両手を使った左右同時打鍵(二色打鍵)。
    右半分の文字キーと親指左キー、 逆に左半分の文字キーと親指右キーとを両手を使って同時打鍵すれば、 下段文字の濁音が入力できる。 これを“二色打鍵”と呼ぶことにしよう。 二色打鍵は、必ず同時打鍵となる。
  4. 半濁音は親指左と右手の二色打鍵。
    NICOLA配列では、半濁音(ぱぴぷぺぽ)も同時打鍵で入力する。 右半分に配置された「ぱぴぷぺぽ」キーと親指左キーとの二色打鍵である。

「きゃ」「きっ」などの拗音・促音を除くほとんどの日本語の 「音」をワンアクションで入力できることがわかるだろう。 これがNICOLA配列の優れた点である。
 ここで注意しておきたいのは、「同時」にこだわり過ぎないことだ。 厳密に同時でなくてもいい。 試しに文字キーを早めに打ったり、遅めにうったりしてみよう。 肩の力を抜いて、軽く打つだけで、「同時打鍵」と認識されるのである。

《打鍵の基本はホームポジション》

 いよいよ打鍵練習だ。頭で理解したあとは、実際にうってみる。 ここからが本番である。
 まず手をホームポジションに置く。 これが基本中の基本である。 ホームポジションとは、キーボードの下から2段目のことで、 左から並ぶ「うしてけ」に左手の指を、 「ときいん」に右手の指を置くのだ。 もちろん親指は左右の親指キーの上である。 これがNICOLA配列のホームポジションだ。つまり、

  配列:うしてけせ はときいん  (下から2段目)
  指 :小薬中人   人中薬小
     (左手)   (右手)

 となる。 これはテニスの打球を待つ姿勢や、 クルマのステアリングのニュートラル位置のようなもので、 他の段のキーを打ったあとも、すぐにまたこの位置に指を戻す。 これが次の運指をスムースにするのである。
 キーを打つたびに大きく手が動いてはいけない。 極端な話、動くのは指先だけである。 一緒にてのひらが動いてしまうようでは、 運指が間違っていると考えたほうがいい。

 さて、いくら指をホームポジションに置いても、 慣れないうちはつい手を離して、目的のキーを探してしまいがちだ。 これではいつまでたっても覚えられない。
 そこで配列図をコピーし、マシンの近くに貼っておくことをお勧めする。 手はあくまでもホームポジションに置き、配列図のほうで目的のキーを探すのだ。 あとは次に述べる3点を守るだけである。

[タイピングマスターのための3か条]

  1. 【最初は集中して練習すること】
    キーボードマスターは自転車の練習に似ている。 ある程度乗れるようになるまで、集中して練習することが大切だ。 この間に、脳から指先にかけての神経回路を作り上げるのである。 毎日5分の練習では、なかなか走れるようにならない。 最初に数時間、次も数時間、その次も数時間を単位にすべし。
  2. 【頻出する語句をまずマスターすること】
    「わたし」「である」「する」「いる」のように、 文章に頻出する語句のタイピングをまず覚えよう。 これがその後の打鍵を楽にする。
  3. 【異なる方式を途中で混在させないこと】
    これはローマ字入力やJISかな入力などを 既にマスターしている人への注意だ。 練習中に、仕事などでつい慣れている入力方式を使ってしまう。 これではタイピングの賽の川原である。 せっかく固まりかけた「言葉−運指」のNICOLA配列用神経回路が、 ほかの入力方式を使ったとたんに切れてしまうのである。 ある程度NICOLA配列の打鍵をマスターするまでは、 他方式での入力は絶対にやってはならない。

 この3点を守り、次頁からのテキストを集中して練習してほしい。 3日間で「なんとかなる」という実感が湧き、 3週間で「打てる」という自信がつき、 3か月後にはJISかな入力やローマ字入力では得られない、 スムーズな打鍵の快感を味わっていることだろう。


Section 3. 頻出語句の練習

現代の言語生活に頻出する語句の打鍵練習

□きのう きょう あす きのう きょう あす (昨日 今日 明日)
□はいけい けいぐ はいけい けいぐ (拝啓 敬具)
□です ます です ます です ます です ます
□である だ である だ である だ である だ
□という だという という だという
□あなたとわたし あなたとわたし あなたとわたし (貴方と私)
□くる こない くる こない くる こない (来る 来ない)
□しかし また しかし また しかし また
□いって やって いって やって いって やって
□これは それを これは それを これは それを
□ますます その ますます その
□かれも かのじょも かれも かのじょも (彼も 彼女も)

Section 4. ホームポジションの練習

ホームポジションの完全マスター。 以下の語句は、ホームポジションの文字をすべてカバーしており、 なおかつホームポジションだけで打つことができる。

□おとうとは いもうとは おとうとは いもうとは (弟は 妹は)
□じけんと けいじ じけんと けいじ (事件と 刑事)
□なぜ きっと なぜ きっと なぜ きっと
□もっと あいして もっと あいして (もっと 愛して)
□であいのば であいのば であいのば であいのば (出会いの場)
□おんなは どきょう おんなは どきょう (女は 度胸)
□とっても げんき とっても げんき (とっても 元気)
□ぜんはんを みても ぜんはんを みても (前半を 見ても)
□げんせいな きょうじゅ げんせいな きょうじゅ (厳正な 教授)
□じしゅせいを おもんじ じしゅせいを おもんじ (自主性を 重んじ)
□じゅぎょうを みせて じゅぎょうを みせて (授業を 見せて)

Section 5. 右手打鍵の徹底練習

右手単色打鍵の徹底練習。前半はホームポジションと上段中心、 後半はホームポジションと下段中心のメニューとなっている。 ここでは左手をまったく使わない。

□おきの よっとに のる おきの よっとに のる (沖の ヨットに 乗る)
□きょくに いく きょくに いく (局に 行く)
□くるまに のる くるまに のる くるまに のる (車に 乗る)
□よるに まつみは つらい よるに まつみは つらい (夜に 待つ身は 辛い)
□つまの つくる ちんみ つまの つくる ちんみ (妻の 作る 珍味)
□ちぇっくめいと ちぇっくめいと (チェックメイト)
□きそと きほん きそと きほん (基礎と 基本)
□めぬきの わ めぬきの わ (目抜きの 輪)
□むつの みねの むくの ゆき (陸奥の 峰の 無垢の 雪)
□そのゆめに いのる (その夢に 祈る)
□めっつおの きょく めっつおの きょく (メッツォの 曲)

Section 6. 左手打鍵の徹底練習

左手単色打鍵の徹底練習。前半はホームポジションと上段中心、 後半はホームポジションと下段中心のメニューとなっている。 ここでは右手をまったく使わない。

□かたなを こえて かたなを こえて (刀を 超えて)
□これも もうけさ あれも もうけさ (これも 儲けさ あれも 儲けさ)
□しゃかを うたう しゃかを うたう (社歌を 歌う)
□せもたれを かりた せもたれを かりた (背もたれを 借りた)
□こうし りゅうし こうし りゅうし (光子 粒子)
□やぁやぁやぁ (ヤァヤァヤァ)
□てぃーを かりた てぃーを かりた (ティーを 借りた)
□へたな ふやしかた へたな ふやしかた (下手な 増やし方)
□ひーすろーへ ろしあへ ひーすろーへ ろしあへ (ヒースローへ ロシアへ)
□やすさ ひろさ やすさ ひろさ (安さ 広さ)
□てすりも ふえた てすりも ふえた (手すりも 増えた)

Section 7. 濁音の徹底マスター

最初に左手の文字キー×親指右キー、 次に右手の文字キー×親指左キーの二色打鍵で入力する濁音を練習する。 濁音は日本語に頻出するので、しっかり練習しておこう。

□じびかで ございます じびかで ございます (耳鼻科で ございます)
□ずいぶん げんきだ ずいぶん げんきだ (随分 元気だ)
□ぜんぶ べんぜん ぜんぶ べんぜん (全部 ベンゼン)
□う゛ぃっとげんしゅたいんの てつがく (ヴィットゲンシュタインの 哲学)
□おおげさに うなずく おおげさに うなずく (大袈裟に 頷く)
□あいづばんだいさん あいづばんだいさん (会津磐梯山)
□ばぐでどきまぎ ばぐでどきまぎ (バグでどきまぎ)
□ひさしぶりに どうぞ ひさしぶりに どうぞ (久しぶりに どうぞ)
□ぼくに おせいぼ うれしいな (僕に お歳暮 うれしいな)
□にんじょうざたとちゅうしんぐら (刀傷沙汰と忠臣蔵)
□ぐびぐびと びーるを のむ (グビグビと ビールを 飲む)

Section 8. 半濁音の徹底マスター

もともとの日本語では頻度の少ない半濁音も、 外来語表記に頻出するようになっている。 右手文字キー×親指左キーの二色打鍵で入力する NICOLA配列式半濁音入力を練習しておこう。

※注 親指シフト配列が登場したときは、NICOLA配列のシフトキーが 「半濁音キー」となっており、 半濁音はこのキーと「はひふへほ」の文字キーとの同時打鍵、 あるいは逐次同時打鍵(半濁音キーを押しながら文字キーを押す) で入力した。
□ぱっちりとした め ぱっちりとした め (ぱっちりとした 目)
□ぱーそなるこんぴゅーた (パーソナルコンピュータ)
□ふぃりぴんの ぴーぷるずぱわー (フィリピンの ピープルズパワー)
□わーぷろは わーどぷろせっさの りゃく (ワープロは ワードプロセッサの 略)
□ぺーぱーわーくは わーぷろで (ペーパーワークは ワープロで)
□こんぺいとうを ぱりぱりと たべる (金平糖を パリパリと 食べる)
□ぽいんとを かせぐ はっぽうびじん (ポイントを 稼ぐ 八方美人)
□ぱん ぴん ぷる ぺそ ぽんど (パン ピン プル ペソ ポンド)

Section 9. 仕上げの練習(1)

Section 3〜8を徹底的に練習し、自信がついたら、 仕上げの練習に入ることにしよう。まずは句読点の打ち分けだ。

□,,,,, 、、、、、 。。。。。 ..... (カンマ) (読点) (句点) (ピリオド)

異説もあるが、カンマを右手薬指、 読点を右手小指の分担にすると、打ち分けがうまくいくはずである。 では、読点とカンマに注意しながら、次の文章で仕上げよう。 スラスラと打てないときは、もう一度、後戻りして練習してほしい。

Step 1.頻出語句とホームポジションの仕上げ

□昨日も今日も、なぜか弟の運転は安心できる。
□教授会での厳正な選挙の結果、学部長が決定したという。
□生徒の自主性を重んじることが大切である。
□明日ここに刑事が来ることになっている。
□いざとなったら、元気さと度胸だけが頼りだ。
□同郷の人間と道でばったり出会った。

Step 2.単色同時打鍵の仕上げ

□夜、落ちついたときにロシアンティーを飲むのが好き。
□実験によると、光は粒子の性質を持つことがわかった。
□彼と彼女が美女と野獣だなんて、ちょっと言いすぎだ。
□目抜き通りの薬屋で、いま安売りをしている。
□クルマの運転で頼れるのは,自分だけである。
□妻と一緒にその峰を越えるまであと一息。

Step 3.二色打鍵(濁音・半濁音)の仕上げ

□ワープロは手書きよりはるかに便利だ。
□最近ごぶさたしていますが、お元気ですか。
□ポインセチアはトウダイグサ科の低木。
□全部欲しいけれど、今月は出費が多いから我慢しよう。
□ペーパードライバーだから、パッとは判断がつかない。
□いまや大容量のフロッピィディスクも登場する時代だ。

《NICOLA配列の打鍵用語のまとめ》

  • 単色打鍵
    右半分、あるいは左半分のキーを単独で打つこと。
  • 単色同時打鍵
    右半分の文字キーと右親指キー、 左半分の文字キーと左親指キーの組み合わせで同時打鍵を行うこと。
  • 二色打鍵
    右半分の文字キーと左親指キー、 左半分の文字キーと右親指キーのように、 両手の組み合わせで同時打鍵を行うこと。
*        *        *

 ここまで来れば、あとは実際の文書作成によって、 NICOLA配列の経験を積んでいくだけである。 さらに例文が欲しいときは、たとえば歌詞カードを作ったり、 料理のレシピを作ったりするといい。
 打鍵に慣れてくると、テンポの遅い歌なら、 それを聞きながらリアルタイムに歌詞を打ち込めるはずだ。 私はインタビューをしながら、 相手の発言をその場でワープロに打ち込んでしまう。 こういう使い方もできる点が、NICOLA配列の魅力だといえるだろう。


【NICOLA配列の運指】

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[4段目]−
     (左手)          (右手)
  小 薬 中 人 人   人 人 中 薬 薬 小 小
  1 2 3 4 5   6 7 8 9 0 □ □
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[3段目]−
     (左手)          (右手)
  小 薬 中 人 人   人 人 中 薬 薬 小 小
  。 か た こ さ   ら ち く つ , 、 □
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[2段目]−
     (左手)          (右手)
  小 薬 中 人 人   人 人 中 薬 小 小 小
  う し て け せ   は と き い ん □ □
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[1段目]−
     (左手)          (右手)
  小 薬 中 人 人   人 人 中 薬 小 小
  . ひ す ふ へ   め そ ね ほ ・ □
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  
     (左手)          (右手)
    小 薬 中 人 人|人 人 中 薬 薬 小 小 

    1 2 3 4 5|6 7 8 9 0 □ □

     。 か た こ さ|ら ち く つ , 、 □

      う し て け せ|は と き い ん □ □

       . ひ す ふ へ|め そ ね ほ ・ □

《NICOLA配列の状態遷移図》

              【単色打鍵】

    1 2 3 4 5|6 7 8 9 0 □ □

     。 か た こ さ|ら ち く つ , 、 □

      う し て け せ|は と き い ん □ □

       . ひ す ふ へ|め そ ね ほ ・ □
  
             【単色同時打鍵】

    □ □ □ □ □|□ □ □ □ □ □ □

     ぁ え り ゃ れ|よ に る ま ぇ □ □

      を あ な ゅ も|み お の ょ っ □ □

       ぅ ー ろ や ぃ|ぬ ゆ む わ ぉ □
  
              【二色打鍵】

    □ □ □ □ □|□ □ □ □ □ □ □

     □ が だ ご ざ|ぱ ぢ ぐ づ ぴ □ □

      ヴ じ で げ ぜ|ば ど ぎ ぽ □ □ □

       □ び ず ぶ べ|ぷ ぞ ぺ ぼ □ □

    ※最上段の記号類は配列図から省いた。
  

『NICOLA派宣言』
----日本人の高度知的生産のパートナー
      NICOLA配列の入門テキスト----
Copyright (c) 1992 by Yukihiro Furuse.
Originally Distributed to FIN2@NIFTY-Serve
Version 1.0 Released on 3 Augast 1992
Version 1.2 Released on 5 Augast 1992

【注  記】